株式会社ブライトテーブル
急増する架電業務をスケーラブルに対応し、架電時間を大幅短縮
飲食店の予約をチャットで依頼でき、予約の電話を代行してくれるグルメコンシェルジュアプリ『ペコッター』を提供している株式会社ブライトテーブル。サービス拡大に伴って増え続ける飲食店への架電業務を、Twilioを利用して全国のリモートワーカーに割り振ることでコールセンターの変動費化を実現。さらに、各飲食店が電話に出てくれた時間帯を統計処理することで、架電業務の効率化を実現しました。
課題
- 飲食店への架電の際、PC上に表示された電話番号を手元の携帯電話に手動で入力していたため、手間だけでなく、かけ間違いも発生していた。
- 「契約している携帯電話の数=同時架電できる上限数」のため、予約代行依頼の集中する夕方のピーク時などには、電話回線が足りなくなる状況が多くあった。また、オフィスの席数も上限数となり、オフィスの物理的な席数を増やす必要に迫られていた。
- 飲食店のスタッフが電話に出てくれるまで、何度も掛け直す必要があり、架電成功率を改善できていなかった。
- 予約ミスが発生した際、録音が残っておらず、原因の究明が難しかった。
解決方法
- Twilio Clientが提供するWebRTCでブラウザから架電できる仕組みを使って、飲食店にワンタッチで架電できるシステムを構築。
- Twilioの通話録音機能(Record)を導入し、予約依頼に録音を紐付け、即座に録音を確認できる検索システムを構築。
- 一定時間以上通話した架電を集計し、飲食店のスタッフがいる時間を可視化するシステムを構築。
効果
- 予約依頼から架電をスタートするまでの時間を、約30秒から4秒程度まで短縮できた。
- ネット環境とブラウザがあればどこからでも架電できるため、場所による制約がなくなり、オペレーターを全国各地で採用し、在宅・短時間勤務などの働き方改革を実現できた。
- 予約トラブルが発生した際、速やかに録音を確認することで原因究明にかかる時間を短縮、再発防止策も的確なものとなった。
- 飲食店ごとに電話が繋がる時間が可視化され、接続成功率が向上した。
導入までの経緯
電話回線数の制限により、予約代行ピーク時の対応に限界があった

株式会社ブライトテーブル 代表取締役 松下 勇作 様
ブライトテーブルは、「世界中の食卓を 明るくにぎやかに」をミッションに、日本全国の飲食店への予約代行サービス『ペコッター』を開発・運営しています。現在、一般ユーザー向けにiOS版アプリとLINE公式ボット版を提供するほか、法人企業向けにSlack版の提供を開始、OEM(他社サービスに組み込む形での提供)、訪日中国人向けにもサービスを拡大させています。
ペコッターは、飲食店の予約をチャットで依頼できるサービスで、ユーザーから依頼が入ると、渋谷オフィスのオペレーターだけでなく、リモートワークで働いている全国のオペレーターが、チャットの内容を確認しながらユーザーの代わりに飲食店へ電話をかけ、予約を代行しています。
サービス開始当初は、飲食店へ架電する際、パソコン上に表示されたお店の電話番号を手元の携帯電話に手入力しており、電話のかけ間違いや手間などが課題になっていました。また、同時に電話をかけられる回線数も、契約している携帯の数が上限になってしまい、予約代行の依頼が集中する夕方のピーク時にはユーザーさんをお待たせしてしまう状況でした。
スケーラブルなシステムを組むためにTwilioを導入

株式会社ブライトテーブル CTO 中島 裕聡 様
Twilioを導入した決め手は、Twilio ClientでWebRTCによりブラウザから架電できる点、ビジネスの成長に合わせたスケーラブルなシステムが組める点にありました。また、TwilioはAPIドキュメントが整備されていたため、自社内のリソースのみで実装が完結できそうだったことも導入の決め手でした。
サービス開始当初は、社員2名とインターンの4人で手分けして、「約30件/日、約1,000件/月」の予約代行依頼を対応しており、サービス拡大に対して限界を感じていましたが、Twilioによってブラウザから直接架電できるシステムを構築し、ネット環境があればこの仕事ができるようにしたことで、>全国各地からリモートオペレーターを採用し、在宅で業務ができる体制を実現、サービスを順調に拡大することができています。現在、オペレーターの登録数で約300名、常時20名程度の体制で、月間約2万件の予約リクエストにお応えしています。
また、Twilioの導入前は、予約の依頼が届いてから架電するまでに少なくとも約30秒かかっていたのが、現在は、架電までの必要時間が約4秒と大幅に短縮しています。
この短縮により、電話をかけ始めるまでのスピード感、実際に予約完了までかかる時間を圧倒的に短くでき、ユーザー体験の向上にも大きく貢献していると考えています。
通話録音機能(Record)で応対品質の向上が実現
架電業務の効率化と併せて、応対品質の向上の取り組みを行っています。
予約内容の伝達に食い違いが発生した場合、弊社と飲食店のどちらに原因があったかがわからず、解決に時間を要することが多くありました。この問題に対して、Twilioの録音機能(Record)を活用し、予約依頼案件と飲食店との通話録音を紐付けし、問題が発生した場合でも速やかに録音を確認し、速やかに原因究明が行えるようになりました。また、問題の発生した録音を振り返ることで、的確な再発防止策を考えるのに役立てています。
その他にも、レストランへの架電接続結果を30分単位で集計し、「繋がりやすい時間帯」を集計、統計処理した結果をオペレーターに提示しています。レストランに実際に繋がる時間の可視化により、電話の繋がりそうな時間を狙ってかけたり、営業時間外でもお店に人がいる時間なら電話をかけたりなど、架電業務の効率化と予約完了までの時間短縮を図っています。
ブライトテーブルの今後の展望について
2019年12月には、訪日中国人向けにWeChatミニプログラム版をリリースを予定です。また、大口のOEM案件もあり、今後も予約依頼が増加していくことが予想されており、全国でオペレーターを募集しています。
これからも、単なる予約代行ではない「ユーザーさんに喜んでもらえる食事の時間」をお届けすることをゴールに掲げ、メンバー全員で力を合わせて、サービスの提供と改善、新しい試みを続けていきます。