導入事例

福岡市

ネット環境を持たない人でも PM2.5 の情報を簡単に得られる

2013 年に入ってから大きな話題となった PM2.5 問題によって、福岡市では大気汚染の状況に関心を持つ市民が増えました。ピーク時には非常に多くのお問い合わせがあり、担当部署の電話はパンク状態となってしまいました。 その後、福岡市では PM2.5 情報をインターネット上で公開したものの、やはりネットの接続環境を誰もが持っているわけではなく、特に地方ということもあってか、電話で情報を得たいとの要望が多くありました。こうした声にこたえ、PM2.5 ダイヤルでは、電話の音声通話を通して市民の皆様にリアルタイムで情報を提供しています。

広告枠を利用することで、税金投入なしでシステム運用

笑顔でインタビューに答える林 宏巳 氏の写真

林 宏巳 氏

M2.5 ダイヤルに電話をすると、福岡市で計測している測定値を自動的に応答して返答します。自動アナウンスで流れる自分の知りたい地域の番号を選択することで、測定値と予報情報を音声で聞くことができます。
ウェブサイトに掲載されている PM2.5 情報を電話でも流すというのは、一見すると効率が悪そうですが、ユーザーの年齢や職業や IT リテラシーが多様な自治体などの場合、選択肢として電話が使われることはある意味「逆転の発想」となりました。

取り組みのスキームも特長的で、福岡市と地域の企業との共同開発として基本的な開発は福岡市内に開発拠点を持つ株式会社エイゾクが担当。また、福岡県内の企業である CROSSEED 株式会社に広告枠を提供して協賛という方法で運用することで、税金を使わずにサービスを提供しています。

2013 年 10 月にプロジェクト参加団体三者が集まるはじめての打ち合わせを行い、12 月 10 日には記者発表を行って実証実験開始しました。自治体にてシステムが絡むプロジェクトでこのような非常に短期間で準備ができ、また、社会課題解決に繋がるこのプロジェクト、個人的にはとても印象深いものになりました。
コストについては、実は、当初は旧来の電話の仕組みを使ってシステムを準備しようとしたのですが、初期費用だけで数百万かかるという見積もりが出てきました。さすがに予算的に厳しく、諦めかけていたところで今回のプロジェクトが持ち上がりました。
初期開発に若干の工数は必要でしたが、Twilio の開発費用や利用費用が低額のため、前述の広告枠による協賛だけで、税金を使わずに提供が可能になっています。

高齢者等への情報提供手段として注目

九州の他の自治体から福岡市に開発費用の問い合わせなどがあり、さまざまな分野での情報提供の可能性についての話が挙がっています。特に高齢者の方はインターネットに慣れていない方も多いですから、自治体から住民の皆さんへ広く情報を提供する仕組みとして役に立つのではないでしょうか。

PM2.5濃度情報を電話で知らせるしくみ。市民がTwilioの電話番号へ電話をかけ、聞きたい地域番号を入力。福岡市が提供するPM2.5農道情報を掲載しているWebサイトから自動取得して音声で提供。

 

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