導入事例

株式会社オプテージ×関西電力送配電株式会社

株式会社オプテージ × 関西電力送配電株式会社

AIを活用した自動応答システムでコールセンターの負荷を30%軽減

関西電力送配電株式会社(以下、関西電力送配電)は、関西エリアの一般家庭やオフィスへの送配電事業を行う会社です。
人々の生活や企業活動を支える電力を預かる会社ですが、それゆえに災害による停電発生時はコールセンターに多数の問い合わせが集まり、応答対応に多くの人員を配置する必要がありました。顧客対応の遅れや、オペレーターの人件費の増大に大きな課題を抱えていたのです。

この問題を解決するために、関西電力グループの株式会社オプテージ(以下、オプテージ)が『停電情報自動応答システム』を開発。 コールセンターの負荷を30%軽減しました。

そして、この停電情報自動応答システムにTwilioが利用されています。

今回は、関西電力送配電の粟井さま、西澤さま、オプテージの田島さま、宇治野さまに、今回の停電情報自動応答システムの開発にTwilioをお選びいただいた理由や導入時の効果、今後さらに期待することをうかがいました。

課題

(関西電力送配電)
  • お客さまからの問い合わせに対して、住所のヒアリング、当該地域における停電情報、確認結果の案内までをオペレーターが一人で行うため、応対時間がかかっていた
  • 災害による大規模停電時には、コールセンターの受付能力を超える問い合わせが発生し、お客さまからの電話がつながりにくい状態になっていた

(オプテージ)

  • 停電発生時には多くの受電があるので回線数が必要であった

解決方法

(関西電力送配電)

  • 問い合わせの一次受付として、AIを活用した自動応答システムを利用

 (オプテージ)

  • KDDIグループのサービスを利用・相談することで専用回線を確保

効果

(関西電力送配電)

  • 停電時のコールセンターへの問い合わせ数が30%程度削減
  • コールセンターにつながりにくい状況が改善され、大規模停電時の問い合わせの増大が予測される事態においても、オペレーターの負荷の抑制といつでもつながる環境を実現

(オプテージ)

  • 迅速な回線確保により開発速度が向上。着想から1年以内でのサービスリリースを実現

オプテージとは

オプテージは、1988年に設立されました。関西電力グループの中核IT企業として、「独創的な発想と先進の志、そしてまごころで“一人ひとりが豊かに生きる未来”の実現に挑む」という企業理念のもと、デジタル化やIoTなどユーザーのニーズに合わせてさまざまなサービスを提供する企業です。

オプテージは、FTTHサービス(光ファイバーを利用したインターネットサービス)である『eo光』や、携帯電話サービス『mineo』のほか、「情報」と「通信」をかけ合わせた法人向けのソリューションサービスも展開。クラウド、AI、5Gといったトレンド技術を取り入れた画期的な新事業の創出にも力を入れて取り組んでいます。

停電情報自動応答システムとは

停電情報自動応答システムとは

停電情報自動応答システムとは、AIの活用によりお客さまの発話内容を判別して、停電情報を自動で返答するサービスです。お客さまが居住地域や住所を口頭で伝えることで、該当地域の停電情報や復旧の見通しを知ることができます。

このサービスを導入する事で、台風や地震などによる大規模停電時に、コールセンターへ問い合わせが集中して電話がつながりにくくなるという課題を解決できます。

関西電力(2020年4月の分社以降、現在の関西電力送配電)が2019年9月に運用開始したのをはじめとして、関西以外の多数のエリアの電力会社に導入されています。

停電情報自動応答システムの仕組み

停電情報自動応答システムの仕組み

 

従来の受付方法

  1. コールセンターへお客さまから入電
  2. オペレーターによる受付
  3. 住所のヒアリング
  4. 該当地域の停電情報・復旧見通しなどの確認を応対

 

停電情報自動応答システム

  1. コールセンターへお客さまから入電
  2. 自動音声による案内で停電情報自動応答システムへ誘導
  3. 選択された場合、停電情報自動応答システムに転送
  4. 自動音声認識による住所のヒアリング
  5. 送配電会社さまの停電情報システムから停電状況と復旧見通しを自動音声でアナウンス

上記のように、AIを活用した自動応答システムが一次受付となることで、オペレーターの負荷軽減につながります。Twilioは、転送された電話に対する通話の制御と、利用者の発話内容の音声認識音声合成に使用されています。

認識率80%以上の高い音声認識精度

自動応答システムを開発する課題として、音声認識率や音声合成のレスポンス速度がありました。いくら自動応答ができたとしても、お客さまをお待たせしたりご不便をかけたりしては、運用できるシステムとは言えないためです。

音声認識については、80%を超える認識率を誇り、レスポンス速度についてもオペレーターとの会話とそん色ありません。

台風による大規模停電によるコールセンターの負荷増大にニーズを感じたオプテージ

オプテージ 田島さま、宇治野さま

(左から)オプテージ 田島さま、宇治野さま

2018年9月、台風21号が関西地方に多大なる被害をもたらしました。関西電力管内では、約220万軒が停電となり、地域によっては復旧までに2週間以上を要するほどでした。
参考:関西電力「台風21号対応検証委員会報告」

復旧の見通しがつかないということで、関西電力のコールセンターには問い合わせが殺到し、限られた人数のオペレーターでの対応が厳しい状態になっていました。
当時オプテージでは、お客さま向けに提供するクラウドサービスへの取組みを注力テーマとしており、AIを活用したサービス(SaaS)の提供を検討していました。

そのようななかで、先ほどのコールセンターの危機状況をキャッチ。AIによる自動応答で利用者自身が問い合わせを自己解決することができれば、オペレーターの負担軽減につながるのではないかと考えたのです。

クラウド活用のメリットを活かすことで運用コストの削減にも期待できた

停電は突発的なできごとなので、平時は問い合わせがほぼなく、停電発生時にだけ問い合わせが集中するという状況が想定されました。そこで考えたのが、クラウド活用のメリットである”利用した分だけ”お金を払えば良いという仕組みです。

また、今回の課題は全国の電力会社共通の課題であると考えられ、ご利用いただく電力会社全体で電話回線を共用いただければ、コストを抑えての提供もできると見込めました。

停電発生時のオペレーター以外の対応チャネルを検討していた関西電力送配電

関西電力送配電 西澤さま、粟井さま

(左から)関西電力送配電 西澤さま、粟井さま

関西電力送配電では、台風21号の停電被害を受けて、停電発生時にオペレーターへの負荷が増大する状況やコールセンターに電話がかかりにくくなる状況に課題を感じていました。そこで多様なチャネルでの停電情報、復旧見通しをお届けできる体制構築に乗り出したのです。

なかでも、ホームページの停電状況・復旧見通しを別チャネルで連携させることで、情報発信の強化につながるのではないかと考え、取組みを検討していました。オプテージさまからの提案であった停電情報自動応答システムは、コールセンターでのオペレーターによる対応以外での受付機能の構築に合致していると感じました。

サービス開発における課題

オプテージでは、2018年9月の台風21号の停電被害をきっかけに自動音声応答システムの開発に移り、1年後の2019年9月には関西電力(現在の関西電力送配電)で運用できる状態になりました。開発にあたって課題としていたのは、2つです。

  1. 停電時には多くの入電が考えられるが、どれだけ多くの回線が確保できるのか?
  2. 自動応答システムが初めての技術ということから、音声認識率がどこまで高められるのか?

どちらも運用の実現性に関わる部分だったので、確実に解決しなければならないものでした。

課題解決に活躍したTwilio

開発のために、SaaSを検討していくなかでTwilioが候補に挙がってきました。

 

回線の手配・拡張に柔軟に対応してくれた

停電情報の取り扱いや自動応答の制御をクラウドサービスとして実装する予定であったことから、まずは電話の制御をクラウド上から行いやすく、電話回線を準備できるSaaSであることが選定の条件でした。

KDDIグループであるKDDIウェブコミュニケーションズであれば、回線の確保について相談しやすいのではないかと考えました。問い合わせをしたところ、こうしたユースケースの場合には他のユーザーに影響を及ぼさないようにしながらも、弊社が提供しようとしているサービスの性質を鑑みると一定の回線数を確保する必要があることから、専用回線のご提案を受けました。専用回線はクラウド型のサービスでありながら、顧客専用の回線を用意することで他のユーザーの利用影響を受けることなく、安定した利用環境を確保できるものだったため、弊社の目指すサービスには最適だと感じ導入を決定しました。大規模な回線数の導入でしたが、2か月程度という短期間で回線の提供をいただけたのは良かった点です。

 

サービス開発に注力できた

自動応答システムは、オプテージにとっても初めての技術であり、実現性が不明なものでした。そのため、どれだけ開発に注力したら運用可能な状態にできるか見極める必要がありました。

回線数の課題が早い段階で解決したことで開発に注力できる状態になったのが、短期間でサービスをリリースできた理由だったと考えます。

 

停電情報自動応答システム導入の効果

停電情報自動応答システム導入の効果

関西電力送配電では、2019年9月より停電情報自動応答システムを導入しました。問い合わせの一次受付として機能してくれています。

幸いなことに、導入から2022年6月現在まで大規模停電を伴う台風が発生していません。しかし、万全な体制を常に準備して、もし発生した場合でもお客さまを待たせない取組みを続けていきます

今回の停電情報自動応答システムだけでなく、プッシュ通知で停電情報や復旧見通しのお知らせが来る「関西停電情報」アプリもリリースしているので、合わせて利用してもらいたいです。

アプリのダウンロードはこちら

オプテージの今後の展望について

まず、停電情報自動応答システムの全国展開は引き続き行っていきたいです。加えて、停電情報自動応答システムの提供で得たサービスの開発や運用に関するノウハウを活かして、他業種のコンタクトセンターを支援するサービスの提供についても検討中です。

また、当社のコンタクトセンター向けソリューション『Enour』(エナー)と組み合わせて提供することで、電話以外のチャネルも含めた、顧客とのシームレスなチャネルの構築を支援できると考えています。

※Enourとは、AI/有人チャット、オペレーター支援(音声テキスト化、自動要約)、在宅ワーク支援といったサービスで、複雑化するコンタクトシーンの問題を解決するサービス。

サービスサイトはこちら

今後も顧客コンタクトの最適化を実現することで、お客さまのDXを支援していきます。

 

株式会社オプテージ × 関西電力送配電株式会社

さいごに

Twilioは、コールセンターの負荷を軽減するためのDX推進を支援します。今回ご紹介したオプテージさまでは、「Programmable Voice」の音声合成・オーディオ再生機能を利用されています。

高い音声認識率とスムーズな音声合成で、コールセンターの受付業務の自動化・効率化にご検討ください。

>Programmable Voiceについて知りたい方はこちら

  • logo_optage_kanden
会社名

株式会社オプテージ

URL
住所

大阪市中央区城見2丁目1番5号 オプテージビル

事業内容

・電気通信事業
・有線一般放送事業
・小売電気事業
・情報システム、電気通信ならびに放送に関するシステム開発、運用、保守業務の受託

会社名

関西電力送配電株式会社

URL
住所

大阪市北区中之島3丁目616 

事業内容

一般送配電事業 等

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