11月28日(水)に、Twilio ビジネスセミナー Vol.55 Twilio × Stripe で実現する Fintech ソリューション 〜プログラマブルで安全な電話決済と業務効率化〜を開催いたしましたので、そちらのレポートをお届けします。
今回のセミナーでは、今年10月 Twilio 社が新しくリリースした「Twilio Pay」という電話決済の機能についての概要、そしてバックエンドで決済機能を提供している Stripe 社の API の機能概要も含めてご紹介いたしました。
このブログでわかること
- 決済用 API を提供する Stripe の概要や特長について
- Twilio の新機能 「Twilio Pay」 の機能について
- Twilio で電話決済を導入するメリット
Stripe の概要説明

Stripe 社の現在の評価額は200億ドル(直近のレートで約2.2兆円)とされています。Stripe を利用すると、既存の Web サービスやアプリケーションに簡単に決済機能を実装できます。導入のし易さなどから、スタートアップから大企業まで、全世界で100万以上を超える多様なタイプの企業が導入しています。
Stripe の誕生は、2009年のアメリカに遡ります。当時は導入が難しかった Web 決済に対し、「Web 上での決済を今まで以上に簡単に導入できるサービス」を目指して開発を始めたのが、Stripe の API 誕生の背景です。その後、2010年に起業、2011年に一部の機能を一般公開しました。2015年には日本でのベータサービスも始め、2016年に全ての機能を一般公開し、正式リリースしました。その後も順調にユーザーを増やし成長し続けています。2005年には3.4兆円だったオンラインビジネスの市場規模(B2C)は、2017年には16.5兆円となり、Stripe は業界の成長とともに堅調に伸び続けています。今後もさらなる成長を見込んでいます。
Stripeを利用すると、煩わしい審査が無く、すぐにお支払いを受け付けることができ、世界を相手にビジネスをするができます。
特長を以下にまとめてみました。
- 柔軟でカスタマイズ可能な UI ツールキットを利用し、スムーズな決済体験を提供できます
- シンプルな実装で、Apple Pay や Google Pay、Alipay などを利用し、世界のお客さまへリーチすることができます
- Stripeの製品を利用することで、クレジットカードのセキュリティ基準 PCI/DSS へ個別に対応することなく、お客さまのカード情報を安全に処理することができます
- シンプルな都度決済、サブスクリプション、マーケットプレイスやプラットフォーム型のビジネスなど様々なビジネスモデルに対応し、常に進化し続ける製品へアクセスできます
- Stripe の決済手数料は、初期費用やサポート費用等隠れた費用がなくシンプルです
是非、ご興味のある方は Stripe社にご相談ください。
では、Stripe と Twilio はどのように連携して決済を実行するのでしょうか。
Twilio × Stripe で実現する電話決済の仕組み
その前に、Twilio のことを少しご紹介いたします。
Twilioとは...コミュニケーション API である Twilio は、多様なコミュニケーションチャネルを既存の基幹システムや、CRM、Web サービスに柔軟に連携を行うことができます。
コミュニケーション機能を API で提供するため、必要な設備は全てクラウド上にあり、かつ料金は従量課金制なので、初期費用や月額費用は全く必要ありません。
世界100カ国以上で利用できるという点も Twilio の訴求点で、世界中どこからでもコミュニケーションを行うことが可能です
今回発表した、 Twilio Pay を使うことで、Twilio の電話 API を使った音声通話決済が実現しました。Pay を発表するにあたって、Twilio 社でも PCI/DSS 認証を取得し、さらに実際の決済には、同じく PCI/DSS 認証を取得している Stripe 社と連携することで、安全な決済システムを提供することができるようになりました。

【図の操作フローに関して】
- 「Pay」がユーザにクレジットカード情報の入力を促します
- ユーザ側でクレジットカード情報を入力します
- クレジットカード情報がキャプチャされ、「Pay」のコネクタに渡され決済情報が処理されます
- 「Pay」コネクタからの確認コードがアプリに届きます
Twilio の電話決済を利用するメリット
数ある電話決済のソリューションの中で、 Twilio を使用するメリットについて説明します。
EC サイトなどがクレジットカードを使った販売等において、犯罪防止を目的とした法律「割賦販売法」が今年改定されました。その法律に準拠するためには、カード決済を行う EC サイト事業者には「カード情報を持たない」もしくは「 PCI/DSS 標準を取得する」のいずれかの対応が必要になりました。

今まで、電話決済を行うにはオペレーターがお客様に直接情報を聞き、決済用専用端末でカード情報を入力したり、お客様の電話を決済専用の電話番号に転送するなどの決済手段が取られていました。しかし、前者の方法ではオペレーターが直接カード情報を聞いてしまうため、コンプライアンスの問題があったり、後者の方法では、決済ができなかった場合、オペレーターがどこで決済が不成功したのかを知ることができなかったりします。それに加え、上記二つの方法では、決済用端末やサービスを導入するのに、初期費用や月額料金が発生してしまうなどのデメリットがありました。

一方、Twilio Pay を利用することで、オペレーターは顧客のカード情報を聞くことなく、電話を通話は継続しながらカード決済を行うことが可能になります。
Twilio Pay の決済利用料は、決済金額には依存せず、決済が成功したときにかかる15円のみです。初期費用も、月額基本料も必要ありません。
