みなさん、こんにちは。6月5日(金)にビジネスセミナーをウェビナー形式にて開催いたしましたので、今回はそちらのレポートをお届けしたいと思います。
今回のテーマは「Genesys Cloud × Twilioで実現する”クラウドファースト”コンタクトセンター 〜クラウドキャリア接続で短期間のコンタクトセンターの立ち上げを可能に〜」と題し、ジェネシス・ジャパン株式会社の橋本様、そして Genesys CloudとTwilioを連携してコンタクトセンターを運営されています、日本コカ・コーラ株式会社のリー様をお招きし、製品や連携についてのご説明と、パネルディスカッションで導入に際してのお話や、導入後の運営方法についてお話いただきました。
CPaaS市場を牽引するTwilioをKDDIブランドでサポートする意味とは
はじめに、弊社Twilio事業部エバンジェリストの高橋より、「CPaaS市場を牽引するTwilioをKDDIブランドでサポートする意味とは」と題し、お話しいたしました。
Twilioは、2008年に米国でサービスを開始し、日本では、2013年からKDDIウェブコミュニケーションズが独占販売代理契約を行い展開してまいりました。2019年にTwilioの日本法人が設立された後も、リセラーとして販売およびサポートを行なっております。Twilioは、電話やSMS、ビデオ、チャットなどのコミュニケーション機能をグローバルでかつ、クラウドベースで提供するCPaaS(Communication Platform as a Service)と呼ばれる市場でサービスを展開しています。
最近では、CPaaS市場にもいくつかのプレイヤーが登場してまいりましたが、Twilioはこの分野では老舗であり、リーダー的な存在となっています。
現在、Twilioではさまざまな機能をAPIメイン(上図の青部分)で提供しておりますが、今回は一つ下の階層、上の図では紫部分のSUPER NETWORKの中にある「SIP」についてご紹介いたします。
SIPとは?
SIPとは、Session Initiation Protocolと呼ばれる通信プロトコルで、IP上で音声通話をする際によく使われている技術になります。Twilioでも内部的にはSIPを利用しており、このSIP基盤をお客様にも開放してご利用いただけるようにしています。具体的には、SIP TrunkingとSIP Interfaceの2種類を用意しており、目的に応じてお客様が選択できるようにしています。SIP Trunkingとは、Twilioが持っている回線インフラを貸し出しするようなサービスで、TwilioのチャネルAPIを使うことはできません。一方SIP Interfaceは、TwilioのチャネルAPIを利用可能なSIPの接続サービスです。
今回のセッションで取り上げるGenesys Cloudは、SIP Trunkingのサービスを利用する事でTwilioと連携可能にしています。
料金は完全従量制で、月額ライセンス費用や初期費用はありません。通話した分だけ料金が課金される料金体系となっております。詳しい価格につきましては、営業にお問い合わせください。
Genesys Cloud × Twilioで実現する”クラウドファースト“コンタクトセンター
続いて、ジェネシス・ジャパン株式会社 西日本営業部 部長の橋本様より「Genesys Cloud × Twilioで実現する"クラウドファースト"コンタクトセンター」と題し、お話しいただきました。
Genesys Cloudとは
Genesys Cloudは、中・大企業向けのコンタクトセンターソリューションを提供しております。G2crowdと呼ばれる評価サイトにて、お客様より非常に高い評価を得ています。Genesys Cloudは、現在世界中で約2,000社、日本国内でも160社のコンタクトセンターで利用されています。
その中でも、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、在宅勤務でのコンタクトセンター運営に関する引き合いが非常に多くなっているようで、自治体や金融機関などすでに在宅でのコンタクトセンター運営をされている企業・団体も多いようです。
実際にGenesys Cloudを用いたコンタクトセンターの構成例
上の図は、Genesys CloudとTwilioを連携させた場合のサービス構成図になります。Genesys CloudはAWS上にホスティングされており、日本では東京リージョン上で稼働しています。顧客は、Twilioの電話番号(0120/0800/050番号)に電話をかけると、通話はTwilioのSIP Trunkingを経由して、Genesys Cloudに入電します。Twilioと連携させたこのような構成の場合、全てがクラウドにあるため、オペレータが在宅勤務をしていても、インターネット回線とパソコンがあれば業務を行うことができる、非常にシンプルな構成です。
オペレーター目線・SV目線での使いやすさ
機能面では、電話だけでなくSMSやWebチャット、メール、各種SNS連携といったさまざまなチャネルを利用することが可能です。また、オペレーター側の目線に立ちますと、トークスクリプトの自動表示、自動音声を使ったIVRアナウンス、折り返し電話予約、そしてCRMアプリケーションとの連携など、非常に多くの機能をシンプルなUIで提供しており、操作も非常に簡単です。
もちろん、スーパーバイザー目線での使いやすさにも特長があります。例えば、リアルタイムレポートや統計レポート、モニタリング、品質評価やコールフローアナウンスの管理など、さまざまな機能を一つの画面で統合UIとして提供することで、シンプルな操作で各機能を使用できます。
パネルディスカッション
続いて、2019年秋よりTwilioとGenesys Cloudを連携したコンタクトセンターを運営されている、日本コカ・コーラ株式会社のリー様にご登壇いただき、橋本様と高橋の3名でパネルディスカッションを行いました。
日本コカ・コーラ株式会社(以下CCJC)では、消費者情報・コミュニケーショングループ(CIC)と呼ばれる部隊があり、その一部でGenesys CloudとTwilioを用いたコンタクトセンターを運営しています。
Genesys Cloud × Twilio連携を導入する前は、電話周りでは導入時期が異なるキャリアの回線が3つ存在し、オンプレミスのPBXとCRMを連携させていました。また、電話以外にもウェブチャットやEメールでのサポート業務をしており、特にEメールの対応では電話やウェブチャットとは異なるCRMを使用していた事から、共通性がないという課題を抱えていました。
今回、Genesys Cloud × Twilio連携を導入することで、キャリア回線はTwilioを使用することでクラウド化し、Genesys Cloudと連携させることで、よりシンプルな構成で電話を受けられる環境を整備しました。また、今までバラバラで管理されていた電話やウェブチャット、EメールをGenesys Cloud側に統合することで、統合型CTIを構築することができ、さらに新しく導入したCRMと全てのチャネルを連携させることで、共通性があり、かつ非常にシンプルな構成に変化させることができました。
このTwilioとGenesys Cloudを活用したコンタクトセンター構築は、全世界のコカ・コーラ社に先駆けて日本でプロジェクトが進行、成功し、現在では全世界のコカ・コーラ社で同じようなプロジェクトが進んでいるそうです。
今般の新型コロナ禍を踏まえ、CCJCでは、継続してコールセンターでの電話受付を行っていますが、感染予防のため、通常よりも人数を減らし対応に当たっているそうです。技術的には在宅での電話対応が可能な環境が準備されていますが、エージェントのマインドセットや体制にはまだまだ課題もあり、現時点ではメール対応のみに絞って在宅対応をされているとのことでした。今後は、BCP対策や働き方改革の観点で、在宅でも電話が受けられるような体制を整備していくことで、リスクの分散を図り、また、電話やメール、チャット以外のチャネルの増設を検討されているそうです。
なお、こちらのウェビナーはアーカイブ動画の公開を行なっております。当日の様子や詳しい内容は、以下のフォームからご登録いただきますとご覧いただけますので、ぜひご覧ください。
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