みなさん、こんにちは。9月16日(水)にビジネスセミナーをウェビナー形式にて開催いたしましたので、今回はそちらのレポートをお届けいたします。
今回は、「在宅運用が可能なコンタクトセンターを今すぐ導入する3つのヒント」をテーマに、弊社Twilio事業部エバンジェリストの高橋が、Twilioのサービスや弊社の立ち位置と在宅運用が可能なコンタクトセンターを今すぐ導入するための3つのヒントをご紹介いたしました。
目次
- Twilioのご紹介と弊社の立ち位置
- Twilioが提供するサービス
- 在宅運用が可能なコンタクトセンターを今すぐ導入する3つのヒント
- まとめ
Twilioのご紹介と弊社の立ち位置
Twilioは、2008年に米国でサービスを開始し、2013年から弊社、KDDIウェブコミュニケーションズが独占販売代理契約を行い、日本市場に展開してまいりました。2019年にTwilioの日本法人が設立された後も、弊社はリセラーとして販売および日本語でのサポートを行なっております。
Twilioは、電話やSMS、ビデオ、チャットなどのコミュニケーション機能をグローバルでかつ、クラウドベースで提供するCPaaS(Communication Platform as a Service)と呼ばれる市場でサービスを展開しています。
最近では、CPaaS市場にもいくつかのプレイヤーが登場してまいりましたが、Twilioはこの分野では老舗であり、リーダー的な存在となっています。
Twilioが提供するサービス
Twilioは、コミュニケーションAPIを中心としたさまざまな機能を提供しております。

例えば上の図の紫部分、SUPER NETWORKではTwilioが持っているインフラをみなさまに提供しております。たとえば、電話番号ひとつをとっても、一昨年1年間でTwilioが扱った番号数は28億番号に上ります。これだけの電話番号を取り扱っている通信事業者は、世界中に存在しません。すなわちTwilioは、世界最大級の通信事業者という側面も持っています。
一方エンジニアの方は、青い部分の層であるチャネルAPIに馴染みがあるのではないでしょうか?Twilioは電話だけでなく、SMSやチャット、最近引き合いが多くなってきているビデオやFaxなど様々なコミュニケーションチャネルをAPIで提供しております。
在宅運用が可能なコンタクトセンターを実現する3つのヒント
ではここから、今回のウェビナーのテーマでもある在宅運用が可能なコンタクトセンターを実現する3つのヒントをご紹介します。
既存の電話番号への着信を転送させる
1つ目の方法は、かかってきた電話を転送させる方法です。
キャリアが提供している転送サービスを利用して、転送先の電話番号としてTwilioで購入した番号に着信をさせる方法です。

一般的な転送サービスにおいては、転送先の上限や、転送方法が限られてしまう場合があります。
そこで、転送サービスの転送先としてTwilioの電話番号を利用することで、Twilio上に設定したプログラムを用いて複数人に対する一斉発信や、輪番での転送など、様々な転送方法を実現することが可能となります。また、それ以外にも、Twilioを使って構築したIVRを使ったコールの振り分け、音声メッセージの再生、Twilioが提供するスキルベースのルーティングシステム「TaskRouter」を使用し、さらに細かいルーティングの設定といったことも可能となります。
Twilioが提供するドラッグ&ドロップでコールフローを作成できる「Twilio Studio」を使用することでエンジニアの方でない人も簡単にコールフローの構築や音声メッセージの設定、内容変更をすることができます。
また、Twilioが持つMessage API等その他の機能と連携させることで、例えば着信時にメッセージを再生した後に、発信元の番号に対してSMSを送信するといったことなども可能となります。
転送サービス+Twilioを導入する際のメリット・デメリット
転送サービス+Twilioを投入する際のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット |
デメリット |
Twilioアカウントと電話番号があればすぐに電話転送ができる |
転送時に、発信者番号はTwilioの電話番号となるため、折り返し対応が難しい。また折り返し対応をする場合は、折返しをした携帯電話や固定電話の番号が通知される。 |
着信した場合に、転送だけでなく音声を流したり、SMSを配信したりさまざまな処理を定義しておくことができる |
ご契約の通信事業者と転送サービスを新たに契約する必要はあるものの、Twilio上での転送設定は「Twilio Studio」を使うことで、非エンジニアの方でも簡単に設定可能なので、コンタクトセンター用途以外でも利用できるシーンが多くあるかと思います。
既存のSaaSを利用する
2つ目は、SaaSサービスを導入することです。今回のウェビナーでは、SaaSサービスの導入を検討する上重要な検討ポイントをメインにお話しいたしました。
- 「現在のオペレーションに沿った機能があるか」よりも「SaaSの機能に自社のオペレーションを合わせられるか」
- 閉じたサービスよりも開かれたサービスであるか
- すぐにはじめられて、すぐに解約できるか
SaaSサービスは、今回ご紹介した3つの方法の中でも比較的早期に、また様々な機能が使える手法になります。しかし、SaaSのサービスは顧客に合わせてチューニングするというよりも、多くの人に使ってもらえるように汎用的に必要な機能や、効果が出ることを考慮して設計されていることがほとんどです。また、サービスの成長が顧客主導ではなく、ベンダー主導となるため、自社の成長と必ずしもサービスのスピードが一致しているとは限らないという点は念頭に入れて検討をしていくと良いでしょう。
また、1つのSaaSサービスでは要件を満たすことが難しい場合があります。そういった場合には、外部のCRMツールをSaaSサービスと連携させることで、SaaSサービスの弱い領域を補うという使い方をするのが賢明かもしれません。その時に、そのSaaSサービスが開かれているか(外部連携可能か)というは大事な検討要素になると言えます。
そして、最低利用期間が設定されているかどうかは確認しておきましょう。基本的にSaaSサービスは月額料金制をとっているところが多く、利用者視点ではすぐにはじめて必要なくなったら解約可能な場合が多く見受けられます。これは、万一自社の成長スピードと製品の成長ベクトルが一致しなくなった場合、違う方法に速やかに移行するためにも重要なチェックポイントとなります。
SaaSを採用する場合のメリット・デメリット
SaaSを採用する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット |
デメリット |
多くのサービスが月額制で、必要なくなった場合にすぐに解約可能(ただし最低利用期間があるか要確認) |
サービスの成長がベンダー主導となり、利用者側の成長路線と必ずしも適合しない可能性がある。 |
導入までの期間が短く、初期開発が不要 |
メリットについてはあえて説明するまでもないかもしれませんが、一方のデメリットも重要です。SaaSのデメリットとして、サービスの成長がベンダー主導となることがあげられます。スタートアップ企業のように、サービスの成長がSaaSベンダーの成長よりも明らかに早い場合など、その時点で一旦利用サービスを再検討するのが賢明かもしれません。
クラウド型コンタクトセンターを立ち上げる
3つ目は、新しく自社でクラウド型のコンタクトセンターを立ち上げるパターンです。先程のSaaSサービスを利用する上でのデメリットのご説明でもお伝えしましたが、サービスの成長と自社の成長ベクトルが合わなくなってしまった時、自社の成長を妨げるようになってしまっては意味がありません。そこで考えられるのが、自社の成長と共にコンタクトセンターも成長していけるよう、自社開発でクラウド型のコンタクトセンターを立ち上げる手法になります。Twilioでは「Twilio Flex」というクラウド型コンタクトセンターソリューションを提供しています。
Twilio Flexは、Twilioが提供する様々なサービスをあらかじめ組み立てた状態で提供することで、すぐにスタートできるクラウド型のコンタクトセンターソリューションです。Twilio FlexではUIやルーティング、Twilio StudioやTwilio Channelsといった機能を事前に連携させた状態で提供しています。すばやくコンタクトセンターを開設できることに加え、UIのカスタマイズやCRM製品との連携、そして電話だけでなくチャットやSMSなどオムニチャネル対応をしており、柔軟性を持ち合わせているのもTwilio Flexの大きなメリットです。
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