前回のTwilio講座 入門編①では、コミュニケーションAPIであるTwilioについてご理解いただいたかと思います。
今回のTwilio講座 入門編②では、実際にTwilioを使い始めていく上で最初に理解するべきTwilioのアカウントの種類と無料アカウントの作成方法についてご紹介いたします。
■Twilio講座 入門シリーズ■
【Twilio講座 入門編①】コミュニケーションAPIのTwilioとは?
【Twilio講座 入門編②】アカウントの種類と無料アカウント作成方法
【Twilio講座 入門編③】Twilio管理画面(コンソール)
【Twilio講座 入門編④】電話番号を購入するために必要な手続き
【Twilio講座 入門編⑤】Programmable Voiceとは?
【Twilio講座 入門編⑥】Programmable Voiceの使い方|自動音声応答IVRを作ってみよう!
【Twilio講座 入門編⑦】SIPとWebRTC Clientを使った音声通話の概要
【Twilio講座 入門編⑧】Programmable SMSを使ってSMSを送信してみよう!
目次
Twilioを利用するには?
Twilioのサービスを利用するためには、初めにアカウントの作成が必要です。まだTwilioアカウントをお持ちでない方は、こちらから無料アカウントの作成をお願いします。
ご自身のTwilioアカウントができると、トライアルとして一定額を無料で使えるようになります。一部制限はありますが、電話・SMSの使い勝手やAPIリクエストを試すことが可能です。
ちなみにTwilioでは、あらかじめチャージされたポイントから使った分だけ差し引いていく方式をとっています。すべての機能を利用できる「アップグレードアカウント」にするには、クレジットカードでポイントをチャージする必要があります。
初回チャージ時に自動でアップグレードアカウントへ切り替わるため、Twilioを存分に使いこなしたい方はぜひご検討くださいませ。
Twilioアカウントの種類
この章では、Twilioアカウントの種類をご紹介します。
親アカウント
Twilioでアカウントを作成すると、まずすべての権限を持つ『親アカウント』が発行され、ACから始まる符号が付与されます。同時にTwilioのシステム内で、アカウントを作成した際に入力したメールアドレスを使って『ユーザー』が作成されます。
Twilio管理画面にログインする際は、このメールアドレスとご自身が決めたパスワードを利用します。『誰がTwilioを使っているか』を識別するためものです。

図のユーザー(赤点線で囲まれた部分)が、登録したメールアドレスで作成されたユーザーの概念が表す範囲です。ユーザーがアカウントの作成をする際、同時に親アカウントが作成されています。
サブアカウント
親アカウントは、『サブアカウント』を作成することができます。
サブアカウントも親アカウントと同じ機能を利用できますが、サブアカウントが利用した分の料金はまとめて親アカウントのポイントから消費されます。
たとえばひとつの会社の中で、異なる事業部のシステム担当者にそれぞれ別の案件でTwilioを使わせたい……といったニーズがあるときなどは、サブアカウントが役立ちます。

上図はユーザーが親アカウントを使って、サブアカウントを1つ作った状態を示しています。そして、この親アカウントとサブアカウントのまとまりを『プロジェクト』と呼びます。
まとめると以下の通りです。
名称 |
概要 |
アカウント |
Twilioを操作する主体それぞれを表す。親アカウントとサブアカウントの2種類がある。
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親アカウント |
料金を支払う主体となるアカウント。サブアカウントを保有できる。
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サブアカウント |
親アカウント配下のアカウント。利用料金は親アカウントが支払う。
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ユーザー |
メールアドレスを識別子とした利用者を表す概念。 各ユーザーは自分のプロジェクトを他のユーザーに利用させるための権限を付与して招待ができる。
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親アカウントとサブアカウントの活用例
こちらの図をもとに、親アカウントとサブアカウントの活用例をご紹介いたします。

【想定①】
ユーザーはとある企業の『新規事業部』システム管理者。『広告事業』と『物販事業』の2事業でTwilioを使い、それぞれの利用料金はまとめて『新規事業部』で支払いたい。
【想定②】
ユーザーは『社内IT管理室』も兼務しており、自身で社内にTwilioを使った電話システムを作ろうとしている。
つまりこの図ではプロジェクトAが『新規事業部』、プロジェクトBが『社内IT管理室』を示しています。
プロジェクトAでは各事業の担当者がTwilioを利用できるよう、親アカウントがサブアカウントを作成しています。一方プロジェクトB ではユーザー自身が開発するため、親アカウントのみを作成しているというわけです。
Twilioではこのように、用途にあわせて複数の親アカウントやサブアカウントを作成することができます。
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複数アカウントを持つ代表的な使途 |
親アカウント |
本番環境と開発環境でアカウントを分けるケース
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サブアカウント |
サービスにエンドユーザーが複数所属しており、サブアカウントごとに請求したいケース
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ちなみにTwilioでは、権限を付与して別ユーザーをプロジェクトに招待することも可能です。

【想定③】
プロジェクトAの社内の電話システム開発が難航したため、ユーザーは別フロアの『不動産事業部』のシステム管理者(=ユーザー2)の手を借りることにした。
ユーザーが、ユーザー2をプロジェクトAへ招待することで、ユーザー2のTwilio管理画面にはプロジェクトAが表示されるようになります。そしてユーザーから付与された権限によって、ユーザー2もプロジェクトAの親アカウントやサブアカウントで操作ができるようになります。
こちらについては弊社のTwilio FAQでも詳しくご紹介しておりますので、ぜひご一読くださいませ。
無料アカウントの作成方法
それでは、実際に無料アカウントを作成してみましょう。
①公式ページの「アカウント作成ボタン」をクリック
まずは公式ページの右上にある「無料アカウント作成」ボタンをクリックします。

画面遷移後のフォームに基本情報を入力して、「Twilioアカウント作成に進む」をクリックします。
利用規約・重要事項説明書・プライバシーポリシーはそれぞれリンクになっていますので、ご確認の上、フォームを送信ください。

②項目を入力し、認証を行う
次に、それぞれの項目を入力して「Start your free trial」をクリックします。

- お名前(名):日本語・英語どちらでもご使用いただけます。
- お名前(姓):日本語・英語どちらでもご使用いただけます。
- メールアドレス:ご記入したメールアドレスがアカウントログイン時に使用されます。
- パスワード:14文字以上のパスワードをご入力ください。
上記4項目を記入したのち、Twilioの利用規約にチェックを入れて、「Start your free trial」ボタンを押してください。

すると上のような画面に遷移し、ご記入いただいたメールアドレスに認証用のメールが送付されます。
※一度でもTwilioアカウント登録に利用したメールアドレスは再利用できません。

届いた認証用のメールに記載されている「Confirm Your Email」をクリックすれば認証完了です。
③本人認証(電話番号認証)を行う
Twilioの本人認証では、お持ちの携帯電話を使って認証を行います。
トライアルアカウントの場合、ここで認証を行った電話番号にしか発信できません。

※認証する電話番号が080-xxxx-xxxxの場合は80xxxxxxxxで入力してください。頭の「+81」は国番号(日本)がデフォルトで設定されています。
「Verify」ボタンを押すと、入力した電話番号宛にSMS(ショートメール)が送られてきます。

送られてきたSMSに記載されている検証コードを入力後、「Submit」ボタンを押して認証を完了させてください。
④アンケートに回答する
初回ログイン時のみアンケートが表示されます。
アンケートの結果によって表示や機能が変わることはありません。安心してお答えください。

問1:あなたはコードを書きますか?
※回答によってアンケートの質問が変わるため、それぞれご紹介いたします。
問1で「No」を選択した場合

問2:Twilioを使って何をする予定ですか?
※まだ使い方が決まっていない方は、「Skip to dashboard」をクリックしてください。
- エンジニアリングチームが構築できるユースケースを特定または調査するため
- Twilioの電話番号を他のサービスで利用するため
- Twilioを使って自分自身で何かを作るため
- 上記以外の目的で利用するため

問3:最初に何がしたいですか?
-
Twilioメンバーと連絡を取りたい
- 製品と価格を見る
問1で「Yes」を選択した場合

問2:一番得意なプログラミング言語はどれですか?
※画像内からお選びください。アイコンに該当するものがなければ「Other」よりご入力ください。

問3:今日のゴールはなんですか?
- 開発中のプロジェクトでTwilioを使う
- 勉強やハッカソンでTwilioを使う
- Twilioの調査

問4:最初に何がやりたいですか?
- SMSの送信または受信
- 電話の発信または着信
- WhatsAppを利用したメッセージ送信
- ボットの構築
- Flexを用いたコンタクトセンターの構築
- 自身のアプリケーションにビデオ機能を追加
- SIMカードの購入
- その他
アップグレードアカウントへの切り替え方法
トライアルアカウント中の制限は以下の通りです。
- 発信できる宛先は無料アカウント作成時に認証した電話番号のみ
- 取得できる電話番号は1つのみ
(日本国内宛の電話受発信を試す場合は050番号を、SMSを試す場合はアメリカの番号を取得してください)
- SIP Trunkingが利用不可
アップグレードアカウントにするには、まずメニューの支払方法から「+アイコン」をクリックして、クレジットカードをご登録いただく必要があります。

そのうえでメニューの概要からポイントをご購入ください。最初のポイントがチャージされると自動的にアップグレードアカウントになります。
